いつか、NHK Eテレの「先人たちの底力 知恵泉(ちえいず)」という番組を見ました。

おそらく今までにも何度か見かけたことのある番組なのですが、たまたま目に留まったので視聴してみました。

扱われていたのは夏目漱石で、彼がいかに若い才能を引き出す天才だったかを取り上げたテーマの後半でした。

偶然見た番組なのでもちろん前半は知らないのですが、十分ついて行ける内容でした。

私が抱く夏目漱石のイメージは「気難しくて堅苦しい天才肌の文豪」といった感じなのですが、実際には、本人は普通にしているだけのつもりなのに周りは笑ってしまうというような、今でいう「天然」の側面があったことが意外でなんだか急に親近感がわきました。

自分より若い人たちと積極的に関わるイメージも今まではあまりなかったのですが、若い文学者たちと親密な交流を持ち、数多くの手紙をやりとりしてたくさんアドバイスしていた事実を知り、とても面倒見が良くてあたたかい漱石の一面を知ることができました。

以前よりも漱石が好きになりました。

漱石がアドバイスをしたのは、児童文学雑誌「赤い鳥」の創刊者・鈴木三重吉や芥川龍之介など、のちに大活躍した有名な人ばかりで人数も多いのですが、そもそも漱石が小説家として活動し、そのような交流を行っていたのは人生の最後の10年ほどだけだという事実にも、(小説家活動が10年ということは前から知ってはいたのですが)改めて驚かされました。

よくよく考えてみれば、漱石は元々教師だったので、若者たちとの交流やアドバイスには慣れていたのだろうなと、視聴しながら思いましたが、それにしても、一人ひとりの性格に合わせた言葉の贈り方は見事で、若い「才能」を瞬時に見極めて導く漱石の「才能」も並外れていたことが自分にはとても新鮮でした。

文豪としてだけでなく、人間としての漱石の魅力、偉大さを知ることができてとても興味深かったです。