通算するともう29年間も続けている、私のスキルアップ法を紹介いたします。いま42歳ですから、これは学生時代から意識して続けていた、半ば趣味で好きなことなのですが……本当に急に手当が支給され、明細を見てゼロを数えなおした出来事が、つい去年の今頃のことでした。

英語をはじめとする、いろいろな諸外国の言葉の会話力や筆記力、これの維持と向上です。学生時代にドイツ語を選択してしまい、もともと好きな英語を経由して、授業のメモをとる……これがきっかけです。

その後ずっと、意識しては英語でメモ、ひとり言も英語、映画のDVDは最低3回の観賞をして返却するなど、日常の中に英語圏を取り込むのです。その英語圏へ飛び込んで働くようになったのは、33歳でした。使う予定がなかったものですから、給料に直結させるような欲望を持たずに……給料が上がる後日を経たのでした。

帰国してからも、これらの習慣はずっと続けています。独身主義の一人暮らしの自由さですから、英語でブツブツと文句を言うのも自由です。むしろ英語のほうが本音を素直に話せるほどで、冗談も言えば喧嘩もします。もちろん外国籍の恋人もたくさんいました。

そんなうちの一人と付き合っていた去年の今頃のことです。港に面した運送会社で事務全般の仕事をしていました。英語力を要するような求人内容ではなかったのですが、眺めの気持ち良い、昔に住んでいた港町でしたので、機嫌良く働いていました。

さて、港町の運送ですから、外国籍の船舶が停泊している日は多忙です。メカニックの男性スタッフたちも、重機の整備や運転や操作、港からの荷役作業の監督まで……と、一人がたくさんの仕事に追われます。私も事務所で追われました。

船が運んできた貨物や荷物の手続き、船に積み込む貨物や荷物の手続きの、両方をしていると、どうしても外国籍のお客さんとの電話も必要でした。『もうすぐ弊社の運転手がそちらへ到着いたしますので、敷地内での誘導は日本語でお願いします』などを、英語で連絡することもあり、そんな電話に受けもよく、私は活発でした。

さて、期待などしていなかったので、給与明細を見た月末の私は、誰かの明細と間違えて受け取ったのかと、ゼロの数を数えなおし、名前も確認しました。ドンと手当の欄に数字に印字があったので、何のことだか分からずに、本社へ電話をかけました。

『給与計算の間違いをしていませんか??』
『コトバのねぇ……て・あ・て』芸は身を助くのでした。